Japanische Klassiker mit Furigana
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あかいかしゃ
赤い貨車
宮本 百合子
Lesen Sie 赤い貨車 (あかいかしゃ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.168 Zeichen · 71 Bildschirme
わたし、指の先だってそんなお金にさわったことはありゃしない。――そんなにしたって、ふしあわせな人間には、ふしあわせしか来ないんです。――オイ! いまにどんなふしあわせが来るだろう――」
夕方リザ・セミョンノヴナは、鈴蘭の花束と、金色で細いリボン飾りのついた卵を買って帰って来た。狭い借室での復活祭の仕度だ。廊下で、アンナ・リヴォーヴナに出会った。すると挨拶もせず出しぬけに彼女は、リザ・セミョンノヴナに云った。
「今朝警察からあなたのことをききに来ましたよ、どうしたんでしょう」
「……そんなことをわたしが知るもんですか、アンナ・リヴォーヴナ」
リザ・セミョンノヴナは、ナースチャが茶を持って来た時、
「アンナ・リヴォーヴナは、盗まれた敷布が惜しくて、頭をおっことしてしまったよ、ナースチャ」
と云った。
「どうしたい、可愛い犬はよくお前を嗅いでってくれたかい?」
「ええ、アンナ・リヴォーヴナとマリア・セルゲエヴナは、わたしが盗まなかったのが不満なんです。ねえ、リザ・セミョンノヴナ。いまにどんなふしあわせが来るんでしょう。ちょうどわたしのところに鍵のあった晩に盗まれるなんてねえ。