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Japanische Klassiker mit Furigana

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あかいらくだ

赤い駱駝

梅崎 春生

Lesen Sie 赤い駱駝 (あかいらくだ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.820 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

自分をその中に正しく置くということが出来なかったのだ。あいつにとって軍隊という世界は、あいつに服従を強要する重圧としてのみあったんだ。だから二見が軍人らしくありたいという努力は、ふつうの者がそう思うのと違うのだ。この世界に自分がぜんぜん適さないことを知っていて、そのマイナスから来る屈辱を、どうにか糊塗して行きたかったのだ。二見というのはそんな男だったんだ。悪い方でだめだったことを、あいつは病的におそれた。屈辱にたいして、あいつは病的な敏感さをもっていたんだ。そいつはヘマをやった時の二見の表情でもわかる。

たとえば号令のかけちがいをやったような場合、彼はいきなり真蒼になる。まるで盗み食いを見つけられた幼児の顔にそっくりなんだ。周囲の声なき嘲笑をかんじるから、自分も照れかくしに笑おうとするんだが、それも出来ないのだ。頬がかたく痙攣するだけだ。そんなときのあいつの表情を、おれは今でも忘れることができない。あいつはぶるぶる慄えながら、屈辱にまみれた時間が早く流れ去ってしまうのを待っているんだ。どうも海軍というところは不思議なところで、一旦あの世界に入ってしまうと、他人の失敗を同情したり弁護したりする神経がだんだんすりへって、それをとがめたり嘲笑したりする気分の方が強くなってくるもんだ。