Japanische Klassiker mit Furigana
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くまとしゃしょう
赤い鳥代表作集 2
木内 高音
Lesen Sie 赤い鳥代表作集 2 (くまとしゃしょう) von 木内 高音 (きうちたかね) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 14.043 Zeichen · 29 Bildschirme
見ると、それはろうそくではないか。――さっき、ころんだひょうしにポケットからとびだしたのを、むちゅうで、手さぐりでつかんでいたものとみえる。
二、三本いっしょにマッチをすると、自分はまずそれをろうそくにうつした。――やぶれたガラスまどへ片手をつっこんだまま中腰に立っているくまのすがたが、きゅうに明かるく照らしだされた。にわかに火を見たくまの目は、ギロギロとくるいだしそうに光った。
自分は、むしろに火をつけた。メラメラともえ上がったと思うと、しめり気があるとみえて、すぐに力なく消えそうになる。
くまは、低く長くうなりだした。それは、さっきまでほえたような声とちがって、大敵に出会った場合に、たがいにすきをねらってにらみ合っているような、不気味なものだった。
こっちの火勢がよわければ、今にもとびかかろうかという気配が見えた。
自分は、さっき石油がこぼれたと思うあたりに、足で下に落ちているむしろをおしやり、手に持った一枚のもえかけたむしろを、楯のようにからだの前にかざしながら、足さきで、むしろに石油をしみこませようと、ごしごしと下のむしろをふみつづけた。