Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くまとしゃしょう

赤い鳥代表作集 2

木内 高音

Lesen Sie 赤い鳥代表作集 2 (くまとしゃしょう) von 木内 高音 (きうちたかね) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 14.043 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

――自分は、なにもかもわすれて、うしろのガラスまどへ上半身をつっこんだ。

しかし、どうしても足がぬけない。死にものぐるいでもがいているうちに、さいわいに、手が、ブレーキのハンドルにかかった。

自分は、宙にぶらさがったままで力をこめてハンドルをまわした。

……それから、あとのことは自分はなにもおぼえていない。

すぐつぎの駅で、自分は腰から下に火傷をして、気絶しているところを助けられた。

ころんだ時に、ズボンのうしろにしみこませた油に火がついたものらしいが、なるほど、しりっぺたをもやしていたのだから、くまも、よりつかなかったわけではないか。――ただ、この間二十分か三十分のことが、自分には実に実に長いことに思われてならない。

くまは、わけなく生捕られた。始発駅で、さけのつみこみを終って、戸をしめるすきにはいりこんだものだろうが、なにしろひとりで汽車へ乗りこんだくまもめずらしいというので、駅員たちがだいじに飼っていたが、二年あまりで死んでしまった。(昭2・3~4)