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Japanische Klassiker mit Furigana

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あかさかじょうのからくり

赤坂城の謀略

国枝 史郎

Lesen Sie 赤坂城の謀略 (あかさかじょうのからくり) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.661 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

この時を以て敵を殲滅するこそ妙策!」

これを聞くと将卒共はしばらくの間は、言葉も出さず黙っていたが、やがて口々に云い出した。

「君公の謀計にござりまする。粗略あろうとは存じられませぬ」

「早々御落去なさりませ」

「再挙の時こそ待ち遠しゅうござりまする」

そういう将卒の顔には、何等の憂の影もなかった。

我等が信ずる多門兵衛様が――日本の孔明、張良が、城を開こうとするのである。開くべき筋があればこそ、こうして城を開くのであって、尋常一様の落城ではない。――という考えがあるからであった。

(では)

と正成は決心し、城の落ちる日を心待ちに待った。

その間に正成は士卒を督し、城中に大なる穴を掘らせ、堀の中にて討たれた死人の中、二三十人ばかりを持ち来たしその穴の中へ埋没させ、その上に炭薪を積み重ねさせた。

と、幸いにもその翌々日、風雨はげしく荒れた。

(時こそ来たれり)

と正成は思い、この赤坂城にそれ以前から、お籠りあそばされた護良親王様を、まず第一に落し参らせ、つづいて将卒を落しやり、火かくる者一人をとどめ置き、舎弟の七郎正季や、和田正遠等を従えて、自身も蓑笠に身をやつし、ひそかに城を忍び出た。