Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せきがいせんおとこ

赤外線男

海野 十三

Lesen Sie 赤外線男 (せきがいせんおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.889 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

「何故、僕を見て逃げようとしたのだ。署の戸口を覗うなんて、何事かッ」

「いや申します、申上げます」熊岡警官の追窮に隅田はとうとう声をあげた。「実は大変な間違いをやっちまったんです」

「うむ」

「昨夜この警察へ出まして、妹梅子の轢死体を頂戴いたして帰りましたが、まあこのような世間様に顔向けの出来ない死に様でございますから、お通夜も身内だけとし、今日の夕刻、先祖代々伝わって居ります永正寺の墓地へ持って参り葬ったのでございます」

「それから……」

「葬いもすみまして、自宅の仏壇の前に、同胞をはじめ一家のものが、仏の噂さをしあっていますと、丁度今から三十分ほど前に、表がガラリと明いて……仏が帰って来たのでございます」

「なにーッ、仏が帰って来た?」警官の顔がサッと緊張した。いやな顔をして背中の方に首を廻した刑事もあった。

「死んだ筈の梅子が帰ってきたんです。こりゃ、てっきり化けて出たのだと思い、一同しばらくは寄りつきませんでしたが、いろいろ観察したり押問答をしているうちに、どうやら生きている梅子らしい気がして来ました。そこで寄ってたかって聞いてみますと、梅子のやつ情夫と熱海へ行っていたというのです。