Japanische Klassiker mit Furigana
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せきがいせんおとこ
赤外線男
海野 十三
Lesen Sie 赤外線男 (せきがいせんおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.889 Zeichen · 78 Bildschirme
さて当の深山理学士は、当夜例のとおり、研究室内に泊っていた筈だが、どうしていたかと云うと、赤外線男のために、もろくも猿轡をはめられ両手を後に縛られて、室内にあった背の高い変圧器のてっぺんに抛りあげられて、パジャマ一枚で震えていた。これを発見したのは係官の一行だった。
「この事件を真先に発見したのは、誰かネ」
と幾野捜査課長は、走せ集った研究所の一同を見廻わしていった。
「儂でございます」年寄の用務員が云った。「儂は毎晩研究所を見廻わっている役でございます」
「発見当時のことを残らず述べてみなさい」
「あれは午前二時頃だったかと思いますが、見廻わりの時間になりましたので、懐中電灯をもって、夜番の室から外に出ようとしますと、気のせいか、どっかで物を壊すようなゴトゴトバリバリという音がします。どうやら深山研究室の方向のように思いました。これは火事でも起ったのかと思い、戸口を開けて闇の戸外へ一歩踏み出した途端に、脾腹をドスンと一つきやられて、その儘何もかも判らなくなりました。大変寒いので気がついてみますと、もう夜は明けかかり、儂は元の室の土間の上に転がっているという始末。