Japanische Klassiker mit Furigana
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せきがいせんおとこ
赤外線男
海野 十三
Lesen Sie 赤外線男 (せきがいせんおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.889 Zeichen · 78 Bildschirme
さあ、いよいよ問題の映画が写し出されようとしている。潮十吉が、深山理学士のところから奪って来たフィルムはこれだ。そして身許不明の轢死婦人のハンドバッグの底に発見せられたのも、矢張り同じフィルムだった。この映画が写し出されたが最後、意外なことが起るのではないか。既に靴の跡によって嫌疑の深い潮十吉であるが、この一巻の映画によって、彼の正体が暴露するのではあるまいか。赤外線男は潮十吉か。或いは赤外線男の合棒でもあるか。
カタリと音がして、スクリーンの上に、青白い光芒が走った。こんどは十六ミリであるから、画面はスクリーンの真中に小さくうつった。
「ああ、これは……」
「ウム……」
画面の展開につれ、人々は苦しそうに呻った。誰かが、いやらしい咳払いをした。
いまスクリーンに写っている画面には二人の人物が出ている。
「ああ、こっちは、潮十吉だな」帆村は、あえぐように叫んだ。
「ああ、あれは伯母様ですわ。伯母様に違いないわ。だけど、ホホ……まッ……」
といったきり、白丘ダリアは口を噤んだ。
さて画面に、それから如何なる情景が展開していったか、その内容についてはここに記すことが許されぬ。