Japanische Klassiker mit Furigana
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せきがいせんおとこ
赤外線男
海野 十三
Lesen Sie 赤外線男 (せきがいせんおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.889 Zeichen · 78 Bildschirme
僕は手筈をきめて、ダリア嬢を警視庁に呼び出したわけだった。
最初の計画は、残念ながら失敗に近かった。それは庁内の警官射的場で、青赤黄いろとりどりの水珠のように円い標的を二人で射つことだった。僕はドンドン気軽に撃って、彼女にも撃たせようとしたが、ダリアは早くも危険を悟って拳銃をとりあげようとはしなかった。若しあの場合、彼女も射撃を始めたとしたら、必ずのっぴきならぬ証拠が出来る筈だった。それはあの色とりどりの円い標的の間に残る白い余白には、あの裏面から赤外線で照明している深山の別個の標的があったのだ。彼女は赤外線も赤い色も判別する力はない。それは赤外線も、吾々が赤を識別できると同様、アリアリと眼に映るからだ。しかし彼女は危険を感じて、吾々の眼には見えない赤外線標的を撃つことから脱がれた。しかし射撃を拒んだということが、僕の予想を大いに力づけて呉れる効能はあった。
さて、最後のトリック――それには鬼才ダリア嬢も見事に引っ懸ってしまった。それはすこし下卑た話だ。けれども、あの便所の一件だ。例のフィルムの映写中に彼女は激しい尿意を催したのだった。それは勿論、すこし前に食堂で彼女が飲んだオレンジ・エードに、一服盛ってあったというわけサ。