Japanische Klassiker mit Furigana
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あかごうしくろうえもんのむすめ
赤格子九郎右衛門の娘
国枝 史郎
Lesen Sie 赤格子九郎右衛門の娘 (あかごうしくろうえもんのむすめ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.174 Zeichen · 33 Bildschirme
お菊はつつましく手を突いて二人の姿を見送ったが、その眼を返すと忠蔵を見た。
と、忠蔵もお菊を見た。
二人は意味深く笑ったものである。
霜夜に凍った田舎路を、一つの提燈に先を照らし、彦七と利右衛門とは歩いて行く。
「お互い金は欲しいものじゃ」
利右衛門はふとこんなことを云った。
「はてね」と彦七は笑い声を立て、
「今更らしく何を有仰る」
「立派な寮、美しい愛妾。……卜翁様の豪奢振り、何と羨しいではござらぬかな」
「ははアなるほど、そのことでござるかな」
彦七もどうやら胸に落ちたらしく、
「羨しいと申そうか小腹が立つと申そうか、今年六十二の卜翁が曾孫のような十八娘をああやって側へ引き付けて、我々にまで見せ付けられる。……その又妾のお菊というのが、眼の覚めるほど綺麗な上に利口者の世辞上手。……」
「しかも今から一月ほど前に抱えた妾だと申すことじゃ。閨の中まで思い遣られてなアッハハハ」と利右衛門は、卑しい笑い声を立てたものである。
とたんに利右衛門は躓いた。
「あ痛!」と叫んで俯向いた。指の先でも打ったらしい。
一足おくれて歩いていた小宮山彦七は驚いて、つと側へ寄って行ったが、