Japanische Klassiker mit Furigana
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ちょうかきんむ
超過勤務
山本 周五郎
Lesen Sie 超過勤務 (ちょうかきんむ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.619 Zeichen · 31 Bildschirme
そのときモーターのうなりが起こって、左右の「籠便」が動きだし、両方から金網の籠が進んでくると、デスクの上でとまり、浚渫船の浚渫機のように、二つとも口をあけて書類を吐きだし、エア・キャリアのブザーが鳴って、パイプの蓋をはねあげながら、すぽんと円筒がとびだし、同時に二つの電話のベルがやかましく鳴り始めた。――出発だと、右手の拳をあげて宣言した彼は、その手をあげたままで「籠便」の動きと、エア・キャリアの動きと電話のベルのけたたましい共鳴音とを放心したような顔つきで眺めていた。――およそ十秒。だがそのあいだに彼の内部では、長い時間の経過があったようだ。彼の振り上げていた右手が操り糸を切られた人形の腕のように、力なくだらっとさがり、彼は右足を少しひきずりながら、デスクへ歩み寄って、椅子に掛け、持っているハンカチでゆっくり顔をふいた。彼は受話器の一つへ手を伸ばしながら、その手首に巻いてある腕時計を見、なんだ、まだ四時二分前か、と呟いた。
「まだこんな時間とは知らなかった」彼は一つの受話器を取り、喉で声をころして、微笑しながら答えた、「はあ、もしもし、こちらはにほん屋百貨店の輸入品整理部でございます、私は整理部副部長代理の木内でございますが」