Japanische Klassiker mit Furigana
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えつねん
越年
岡本 かの子
Lesen Sie 越年 (えつねん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.003 Zeichen · 21 Bildschirme
とつおいつ、僕は遂に夢中になって貴女をあの日、撲ったのでした。しかし、女を、しかも一旦慕った麗人を乱暴にも撲ったということは僕のヒューマニズムが許しませんでした。いつも苦い悪汁となって胸に浸み渡るのでした。その不快さに一刻も早く手紙を出して詫びようと思ったが、それも矢張り自分だけを救うエゴイズムになるのでやめてしまったのです。先日、銀座で貴女に撲り返されたとき、これで貴女の気が晴れるだろうから、そこでやっと自分の言い訳やら詫びをしようと、もじもじしていたのですが、連れの者が邪魔して、それを果しませんでした。よって手紙を以って、今、釈明する次第です。平にお許し下さい。
堂島潔
としてあった。加奈江は、そんなにも迫った男の感情ってあるものかしらん、今にも堂島の荒々しい熱情が自分の身体に襲いかかって来るような気がした。
加奈江は時を二回分けて、彼の手、自分の手で夢中になってお互いを叩きあった堂島と、このまま別れてしまうのは少し無慙な思いがあった。一度、会って打ち解けられたら……。
加奈江は堂島の手紙を明子たちに見せなかった。家に帰るとその晩一人銀座へ向った。