Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しゅみのいでん

趣味の遺伝

夏目 漱石

Lesen Sie 趣味の遺伝 (しゅみのいでん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.235 Zeichen · 77 Bildschirme

Aozora Bunko

これだから困る。困りはしたものの、何か書いてある事はたしかだ。こうなっては泣こうが泣くまいがそんな事は構っておられん。

「日記に何か書いてありますか? それは是非拝見しましょう」と勢よく云ったのは今から考えて赤面の次第である。御母さんは起って奥へ這入る。

やがて襖をあけてポッケット入れの手帳を持って出てくる。表紙は茶の革でちょっと見ると紙入のような体裁である。朝夕内がくしに入れたものと見えて茶色の所が黒ずんで、手垢でぴかぴか光っている。無言のまま日記を受取って中を見ようとすると表の戸がからからと開いて、頼みますと云う声がする。生憎来客だ。御母さんは手真似で早く隠せと云うから、余は手帳を内懐に入れて「宅へ帰ってもいいですか」と聞いた。御母さんは玄関の方を見ながら「どうぞ」と答える。やがて下女が何とかさまが入らっしゃいましたと注進にくる。何とかさまに用はない。日記さえあれば大丈夫早く帰って読まなくってはならない。それではと挨拶をして久堅町の往来へ出る。

伝通院の裏を抜けて表町の坂を下りながら路々考えた。どうしても小説だ。ただ小説に近いだけ何だか不自然である。