Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あしがるほうこう

足軽奉公

山本 周五郎

Lesen Sie 足軽奉公 (あしがるほうこう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.949 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

「つまり、苦労や不平のたねは世間にあるのじゃなくて、おまえさんたち自分のなかにあるわけだ、それをとやこう云おうとは思わない、人はそれぞれ分別もあり望みもある。誰も彼もおなじように生きられるものじゃないから、……けれども、わたしはよくこんなことを考えるよ」

老人は作りあげた風車を手に持って、ふうと吹き、くるくると廻るのを楽しげに見やりながら続けた。

「……この風車というものは竹の親串と、軸と、留める豆粒と紙車で出来ている。けれども、こうして風に当てて廻るのは紙の車だけさ、人もこの廻るところしか見やしない、親串を褒める者もなし、軸がいいとか、豆の粒がよく揃ったとか云う者もない、つまり紙の車ひとつを廻すために、人の眼にもつかない物が三つもある。しかもこの三つの内どの一つが欠けても風車には成らない、また串が紙車になりたがり、豆粒が軸になりたがりでは、てんでんばらばらで風車ひとつ満足に廻らなくなる。……世の中も同じようなものだ、身分の上下があり職業にも善し悪しがある、けれどもなに一つ無くてよいものはないのさ、お奉行さまが要れば牢番も要る、米屋も桶屋も、棒手振も紙屑買いも、みんなそれぞれに必要な職だ。