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Japanische Klassiker mit Furigana

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ろじょう

路上

芥川 竜之介

Lesen Sie 路上 (ろじょう) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.539 Zeichen · 87 Bildschirme

Aozora Bunko

と小さな声をかけた。俊助は驚いたように顔を挙げて、相手の方を振返ったが、たちまち浅黒い頬に微笑を浮べて「やあ」と簡単な挨拶をした。と、大井も角帽をかぶったなり、ちょいと顋でこの挨拶に答えながら、妙に脂下った、傲岸な調子で、

「今朝郁文堂で野村さんに会ったら、君に言伝てを頼まれた。別に差支えがなかったら、三時までに『鉢の木』の二階へ来てくれと云うんだが。」

二

「そうか。そりゃ難有う。」

俊助はこう云いながら、小さな金時計を出して見た。すると大井は内懐から手を出して剃痕の青い顋を撫で廻しながら、じろりとその時計を見て、

「すばらしい物を持っているな。おまけに女持ちらしいじゃないか。」

「これか。こりゃ母の形見だ。」

俊助はちょいと顔をしかめながら、無造作に時計をポッケットへ返すと、徐に逞しい体を起して、机の上にちらかっていた色鉛筆やナイフを片づけ出した。その間に大井は俊助の読みかけた書物を取上げて、好い加減に所々開けて見ながら、

「ふん Marius the Epicurean か。」と、冷笑するような声を出したが、やがて生欠伸を一つ噛み殺すと、