Japanische Klassiker mit Furigana
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おどるちへいせん
踊る地平線(上)
谷 譲次
Lesen Sie 踊る地平線(上) (おどるちへいせん) von 谷 譲次 (たにじょうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.926 Zeichen · 332 Bildschirme
『ほんとにいいお天気――。』
『大丈夫ですわね、この分なら。』
『ええ。こんなしずかな日。風はなし――。』
じ・じ・じ・じい――呼鈴。
『巴里行き! 巴里ゆき!』
これで、ぞろぞろ野原へ吐き出される。
茫漠たる青ぐさの展開しばらく踏みおさめの土。
あ! ならんでる、並んでる! 地に翼をおろして!
飛行機・複葉・とんぼ・無数の水々しい飛行機――新鮮な果実のような、悪戯心に満ちた反撥と弾力をじっと押さえて、OH! お前たちはいま乗るべき微風を待っているのか。
引力の反逆者よ!
思うさま地を蹴れ!
雲を駈る悪魔
GRRRR――。
すでにプロペラの廻転をはじめている淡灰色の莫大な妖怪が、前世界の動物のような筋骨だらけの身体をジェリイみたいにこまかくふるわせて、おとなしく私たちの眼前にある。
定期旅客機「銀のつばさ」である。なんと雲に擦り切れ、空によごれたそのすがたの頼母しく見えたことよ!
あんなに積んで飛べるかしらと思うほど、客ぜんたいのトランクやらスウツケイスやら鞄やを山のように機の一部へ押しこんでいる。
広場のせいか、飛行場へ行ってみると風がある。帽子の吹きとばされそうな強さだ。