Japanische Klassiker mit Furigana
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おどるちへいせん
踊る地平線(上)
谷 譲次
Lesen Sie 踊る地平線(上) (おどるちへいせん) von 谷 譲次 (たにじょうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.926 Zeichen · 332 Bildschirme
』
と嬉しそうに手なんか振っていた。ざまあ見やがれ!
たった一人だが、ここに私もやっと自発による犠牲者を掴まえたわけで、どうやらアンリ親分にも合わせる顔が出来たというものだ。
あとは、夜になるのを待つばかりだが――面倒臭いからぐうっと時計の針を廻して、無理にももう夜になったことにする。
で、夜――エッフェル塔にCITROEN広告の電気文字が、灯の滝のように火事のように、或いは稲妻のように狂乱し出すのを合図に、星は負けずにちかちかしてタキシが絶叫し、路ゆく女の歩調は期せずして舞踏のステップに溶けあい、お洒落の片眼鏡に三鞭の泡が撥ね、歩道のなかばまで競り出した料理店の椅子に各国人種の口が動き、金紋つきの自動車が停まると制服が扉を開け、そこからTAXIDOが夜会服を助け下ろし、アパルトマンへ急ぐ勤人の群が夕刊の売台をかこみ、ある人には一日が終り、ほかの人には一日がはじまったところ――巴里に、この話に、夜が来た。
4
二十五、六の、どっちかと言うと大柄な、素晴らしい美人であった。
ここはどうあっても素晴らしい美人でないと埒が開かないところだし、また事実素晴らしい美人だったんだから、私といえども事実を曲げることは出来ないわけだが――で、その二十五、六の、どっちかというと大柄な素ばらしい美人が――。