Japanische Klassiker mit Furigana
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おどるちへいせん
踊る地平線(下)
谷 譲次
Lesen Sie 踊る地平線(下) (おどるちへいせん) von 谷 譲次 (たにじょうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.823 Zeichen · 283 Bildschirme
ほ・ほう! と、しきりにうしろの者を呼ぶ声が薄暮に山彦した。雪は残光に映えて藤紫に光っていた。山峡には、水蒸気のような霧が沸きかけていた。そこへ、粗い縞を作って、町の灯が流れはじめた。これは、木彫りの熊・深山ははこの鉢植・一面に瑞西風景を描いた鈴・智恵の小箱・コルク細工の壜栓・色塗りの白粉入れ・等原始的な玩具の土産類をひさぐ店々である。ときどき懐中電灯を照らして馬橇を走らせる人も小さく見えていた。遠くで汽笛がした。それが反響して星をふるわせた。あたりは赤く暗く沈み出して、当分のスポウツ日和を約束していた。スキイヤアスは、重い靴底で、ホテルの前の雪を思い思いに踏み固めてみて、明日の「状況」を調べていた。地雪の粗さやねばり工合が彼らには何よりも気になるのだ。なかには、片手で雪を握り締めては、首を捻っている人もあった。いま積もってる上へ濡れ雪が落ちることは、皆がみな何よりも怖れている変化だった。じっさい、水気を含んだ雪の次ぎに一晩の酷寒でも来ようものなら、スケイトの熱心家は喜ぶだろうが、スキイヤアは一せいに泣き顔である。表面が石畳のように固形化して、自殺の意思なしではスキイられないからだ。