Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐんこくかようしゅう
軍国歌謡集
山川 方夫
Lesen Sie 軍国歌謡集 (ぐんこくかようしゅう) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.655 Zeichen · 80 Bildschirme
の松の幹が目にうかぶようにしか、それらは私の前にあらわれない。……なんとなく期待していた甘いなつかしさが湧くどころか、一人一人がさも非難するような目つきで、くどくどと自分のことだけをしゃべりだすのが耳に聞こえるような気がしてきて、私はただ、まだ当分はあの家には戻りたくない、とだけ明瞭に思った。――
わけのわからない怒りが、はげしく私をとらえたのはそのときのことだ。突然、それまですっかり忘れていた昨夜の情景がありありと目によみがえって、私は夢中で踊りつづけ、「愛」についてしゃべっていた興奮した大チャンを思い出した。焦立ちながら、その幸福な彼に気を呑まれて茫然としていた自分を思い出した。
私は思ったのだ。大チャンは愛を生きているといった。たしかに彼の中に、あの歌声の主への「愛」は生き、いや、その「愛」の中に彼は生きているのだ。でも、これは彼が、彼以外の幻想を生きていることじゃないか。つまり、彼が一つの不在に化しているということ、彼が、彼を生きていないことじゃないか。
――許せない、とはげしく私は思った。あんな安易な、ばかばかしく滑稽な狂気を、恥ずかしげもなく「愛」