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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぐんこくかようしゅう

軍国歌謡集

山川 方夫

Lesen Sie 軍国歌謡集 (ぐんこくかようしゅう) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.655 Zeichen · 80 Bildschirme

Aozora Bunko

大チャンはもと坊主で、お経もたくさん暗記していた。私は彼に般若心経を教えられたが、あんまりおぼえないので、彼は三日ほどであきらめてしまった。

彼は壁にいろいろなものを画鋲でとめておく趣味があって、文句は忘れたが、西郷隆盛の辞世の歌というのがあったり、汝、けっして怒るべからず、怒ることは友人を喪う術なり、汝、けっして許すべからず、許すことは自己を喪う術なり、という格言(?)を墨書した紙があったり、古い相撲の番付や、映画のスチール写真などが、その八畳の日本間の壁という壁に貼られていた。その中には、たしかオーデンの作品と思える英語の詩もまざっていた。彼は、一度結婚をしたことがある、というようなことをいったことがあったが、私はくわしくは訊かなかった。

彼が、いったい何故、私を同居させ、食わせてくれるという親切心をおこしたのか、私にはよくわからない。私は大学の英文の生徒だったが絵が好きで、展覧会を片っぱしから見てまわってはノートをつけたりしていた。そんな私、それも彼よりは十才は確実に年下の私を、彼はどういうわけか尊敬さえしているみたいだった。酒を飲みたい、と一言いえば、たとえ借金をし、眠っている店をたたきおこしてでもウィスキイ壜を買ってきてくれるのである。