Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ろくろくび

轆轤首

田中 貢太郎

Lesen Sie 轆轤首 (ろくろくび) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.065 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

主人は歯ががちがちと鳴って、その眼からは涙が出た。

「おれは、もう、元もと通りになることができぬ、此処で死ななければならぬ、よくも、人の体を動かしおったな、乞食坊主め。よし彼の坊主を啖い殺してやる、何処におる、坊主め」

主人の首は空へ舞いあがるなり、恐ろしい形相で四辺を睨みまわした。

「おお、其処におる、其処におる、おのれ坊主め、動くな」

ひゅうと風を切って怪量に飛びかかった。それに続いて四つの首も襲いかかった。

怪量は手ごろの松の木を引っこ抜いて、縦横無尽に振りまわした。四つの首はまたたく間に地上へ落ちたが、主人の首だけは落ちずに、いつまでも怪量に飛びかかっていたが、やがて隙を見つけたのか怪量の衣の袖へ啖いついた。怪量はすかさず髷を掴んで力一ぱい撲りつけた。首は一声呻くなりぐったりとなってしまった。

怪量はそのまま松の木を提げて家の内へ入って往った。四つの首はもう体へ帰って、血だらけになって呻き苦しんでいた。

「坊主が来た、坊主が来た」

四人は我さきにと飛びだして、杉林の方へ姿を消してしまった。

その時はもう夜がほのぼの明けていた。怪量は松の木をすてて首を衣の袖から離そうとしたが、首はどうしても離れなかった。