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Japanische Klassiker mit Furigana

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きんせいかいじんでん

近世快人伝

夢野 久作

Lesen Sie 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.469 Zeichen · 157 Bildschirme

Aozora Bunko

また階上の翁の部屋では天下のインチキ名士連が翁を取巻いて借銭の後始末、寄附、運動費、記念碑建立、社会事業、満蒙問題なぞ、あらゆる鹿爪らしい問題を提げて、厚顔無恥に翁へ持ちかける。

翁はそんな連中に対して面会謝絶をしないのみか、どんな事を頼まれても否とは云わない。黙々として話を聞き終ると金ならば金、印形なら印形を捺してやってミジンも躊躇しない。市役所へハキダメの物でも渡すように瞬く間に七十五万円を費消してしまった。残るものは借金取りの催促と、雲集した書生壮士ばかりになってしまった。

それでも、まだ印形や金を借りに来るものがある。しかも以前に、二度と来られないようなインチキで翁を引っかけて行った人間が、シャアシャアと又遣って来るのである。それでも翁は何も云わずに無理算段をした金を遣り、印形を貸す。翁の一家は、そのために、七十五万円の富豪から一躍、明日の米も無い窮迫に陥ってしまったが、それでも避難民張りの米喰虫は雲集するばかり……。

或る人が見かねて、

「これはイカン。何とかしてコンナ恥知らずの連中を逐い出さねば、先生の御一家は野タレ死にをしますぞ」

と忠告した。