Japanische Klassiker mit Furigana
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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
Lesen Sie 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.469 Zeichen · 157 Bildschirme
奈良原少年一流の急進的な激語が破鐘のように大きいのでその家を取巻く密偵の耳に筒抜けに聞えたに違いないという事になった。それ以来「奈良原の奴は密議に加えられない」という事になって同志の人は事ある毎に奈良原少年を敬遠したというのだから痛快である。しかも前記の乱の鎮定後明治政府に対して功績を挙ぐるに汲々たる県当局では、残酷にも健児社に居残っている少年連を悉く引捉えて投獄した。一味徒党の名前を云えというので、年端も行かぬ連中に、夜となく昼となく極烈な拷問をかけたというのだから、呆れた位では追付かない話である。
その当時の事を後年の奈良原翁は筆者に追懐して聞かせた。
「現在(大正三年頃)玄洋社長をやっとる進藤喜平太は、その当時まあだ紅顔の美少年で、女のように静かな、温柔しい男じゃったが、イザとなるとコレ位、底強い、頼もしい男はなかった。熊本県の壮士と玄洋社の壮士とが博多東中洲の青柳の二階で懇親会を開いた時に、熊本の壮士の首領で某という名高い強い男が、頭山の前に腰を卸して無理酒を強いようとした。頭山は一滴もイカンので黙って頭を左右に振るばかりであったが、そこを附け込んだ首領の某がなおも、無理に杯を押付ける。