Japanische Klassiker mit Furigana
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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
Lesen Sie 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.469 Zeichen · 157 Bildschirme
双方の壮士が互い違いに坐っているので互いに肩臂を張って睨み合ったまま、誰も腰を上げ得ずにいる時に、進藤がツカツカと立上って、その首領某の襟首を背後から引掴むと、杯盤の並んだ上を一気に梯子段の処まで引摺って来て、向う向きに突き落した。そのあとを見返りもせずにニコニコと笑いながら引返して来て『サア皆。飲み直そう』と云うた時には大分青くなっておった奴が居たようであったが、その進藤と、頭山満と自分と三人は並んで県庁の裏の獄舎で木馬責めにかけられた。背中の三角になった木馬に跨らせられて腰に荒縄を結び、その荒縄に一つ宛、漬物石を結び付けてダンダン数を殖やすのであったが、頭山も進藤も実に強かった。石の数を一つでも余計にブラ下げるのが競争のようになって、あらん限り強情を張ったものであった。三人とも腰から下は血のズボンを穿いたようになっているのを頭山は珍らしそうにキョロキョロ見まわしている。進藤も石が一つ殖える度毎に嬉しそうに眼を細くしてニコニコして見せるので、意地にも顔を歪める訳に行かん。どうかした拍子に進藤に向って『コラッ。貴様の面が歪んどるぞ』と冷やかしてやると進藤の奴、天井を仰いで『アハアハアハアハ』