Japanische Klassiker mit Furigana
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こんどういさみとかがく
近藤勇と科学
直木 三十五
Lesen Sie 近藤勇と科学 (こんどういさみとかがく) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.465 Zeichen · 28 Bildschirme
「見苦しい。お互様だ」
一人は、隣の人に
「俺の甲は、明珍の制作で、先祖伝来物だが、これでも、弾丸は通るかのう」
首を伏せて、鎧の袖を合せ乍ら、こう聞いたので
「さあ」
と、答えた刹那、明珍の甲をつけた男は、甲の上から、両手で、頭をかかえて、唇を歪めた。
「やられたかっ」
男の顔を見ると、苦痛で、顔中をしかめていた。
最後の列の兵は、素早く、軒下へ飛込んで、軒下づたいに逃出した。一人が、敵へ尻を向けて、大急ぎに、四つん這いに這い乍ら、逃出すと、二人、三人、と、周章てて、這い出した。
「見苦しいぞ、磯子、鈴木っ」
軒下の兵が、軒下を伝って逃げ乍ら、敵に尻を向けて這っている兵へ、怒鳴った。兵は、黙って、もっと急いで、手足を動かした。
御香ノ宮の敵は、新撰組の退却するのを見ると、塀から、次々に乗越えて、槍をもって進んできた。
「止まれっ」
土方が叫んだ。
「出たっ」
「出たっ」
口々に叫んで立上った。塀の上に、又白煙が、いくつも、横に並んで、森の中へ消えていった。十四五人が、鬨を上げて、走り上ると、敵は、周章てて、塀の中へ、隠くれてしまった。そして、銃声が、硝煙が、激しくなった。