Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おいついたゆめ

追いついた夢

山本 周五郎

Lesen Sie 追いついた夢 (おいついたゆめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.427 Zeichen · 41 Bildschirme

Aozora Bunko

「おれがいい嫁を貰うって」宇之吉はかすれ声で叫ぶように云った、

「――じゃおけいちゃんは、おれに待っていろとは云わねえのか」

「だって宇之さん、あたしきれいな躰じゃなくなるのよ」

「そんなことがなんだ、それが悪いんなら罪の半分はおれにある、おれに甲斐性があればおめえにそんな悲しい思いをさせずに済んだんだ、おれあおめえのほかに嫁なんぞ貰おうとは思わねえ」

「宇之さん」

おけいは握っていた彼の手を自分の胸へ押しつけ、喘ぐように叫んで身をすり寄せた。宇之吉はその手を振放し、おけいの肩をつぶれるほど抱き緊めて云った。

「待ってるぜ、おけいちゃん」

おけいは身もだえをした。

「それじゃあ済まない、あたしが宇之さんに済まないわ」

「泣いちゃあいけねえ、いま泣くんじゃあねえおけいちゃん」宇之吉は歯をくいしばった声で云った、「泣くのはもっとさきのことだ、いつかそういう日がきて、二人が晴れて一緒になれたらだ、……それまでは泣くのはよそう、おれも強くなる、精いっぱい稼ぐ、そして何年でも待っているぜ、いいなおけいちゃん」

「そんな、そんなことを云えば」

おけいはいやいやをしながら咽びあげた。