Japanische Klassiker mit Furigana
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おいついたゆめ
追いついた夢
山本 周五郎
Lesen Sie 追いついた夢 (おいついたゆめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.427 Zeichen · 41 Bildschirme
……さして広くはないが凝った造りの平家で、土蔵が付いていた。部屋は五つあり、おけいの居間には箪笥二棹と鏡台、長火鉢、小机など、すっかり道具が揃っていた。
「あとで箪笥をあけてごらん、帯地や反物が夏冬ひととおり入れてある。私は今日は帰って五六日したら来るから、そのあいだに当座の着る物を仕立てさせるんだね」
和助は長火鉢の前へおけいを坐らせ、自分もさし向いに坐って、さも満足そうな口ぶりでこう云った。
「こんな処に仕立屋さんがあるんですか」
「山奥へでも来たと思ってるんだね」和助はからかうように笑った、「――おちついたら下へいってごらん、仕立屋どころか料理屋もある、しかしまあ、私のいないときは出歩かないようにして呉れないと困るが」
「あたし外へ出るのは好きじゃありません」
とみが茶を持って来ると、和助は食事を取るように命じた。鈴半へいって――などと云ったところをみると、それが料理屋かもしれない。和助は茶を飲み終ると、おけいを伴れて家の中をみせてまわった。
「これが寝間、こっちが私の部屋だ、おちついたらこの向うへ茶室を建てようと思う、……これから茶や生花をならって貰うんだな、読み書きの師匠も呼んでやるよ」