Japanische Klassiker mit Furigana
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とうめいねこ
透明猫
海野 十三
Lesen Sie 透明猫 (とうめいねこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 10.223 Zeichen · 21 Bildschirme
崖下の道
いつも通りなれた崖下を歩いていた青二だった。
崖の上にはいい住宅がならんでいた。赤い屋根の洋館もすくなくない。
崖下の道の、崖と反対の方は、雑草のはえしげった低い堤が下の方へおちこんでいて、その向うに、まっ黒にこげた枕木利用の垣がある。その中にはレールがあって、汽車が走っている。
青二は、この道を毎日のように往復する。それは放送局に働いている父親のために、夕食のべんとうをとどけるためだった。したがって、青二の通るのは夕方にかぎっていた。
その日も青二は、べんとうを放送局の裏口の受付にとどけ、守衛の父親から鉛筆を一本おだちんにもらい、それをポケットにいれて、崖下の道を引っかえしていったのである。
あたりはもう、うすぐらくなっていた。
まだ春は浅く、そしてその日は曇っていて、西空に密雲がたれこみ、日が早く暮れかけていた。
青二は、すきな歌を、かたっぱしから口笛で吹いて、いい気持で歩いていった。
そのとき、道ばたで、「にゃーお」と、猫のなき声がした。
青二は猫が大好きだった。この間まで、青二の家にもミイという猫がいたが、それは近所の犬の群れにかこまれて、むざんにもかみ殺されてしまった。