Japanische Klassiker mit Furigana
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とおりあめ
通り雨
宮本 百合子
Lesen Sie 通り雨 (とおりあめ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.284 Zeichen · 3 Bildschirme
又私の居る処へ来て玄関の土間へ声をかける、
「どうにかして、もう一台だけ入れないかい?
「どうして入れるもんかい、馬鹿な。
来て見ろよ、もうきちきちだよ、
そこで出来るだろう。
向うの窓をあけて私の部屋の廂を見る。
「駄目なんだよ、
此処に石が有るから。
彼方へ廻ったら濡鼠だ。
「どうにかしてやるから待ってろ。
首を引込めて仕舞った。
二人は道具を入れた小さい行李の様なものを楓の枝ごみの葉かげに置いたり散らばった穀を足で押えてしごきながらひろって居る。
私の部屋の廂の下の畳には雨のしぶきが随分掛って居る。私はあれを敷いたらしめってさぞ毒な事だろうと思う。
しめった日や場所に居るとすぐ起る私の神経痛の事を思うとこまっかいしぶきを浴びて居る畳を見ただけで頭の後の方がズンズーンとする様な感じがする。
今まで塵ぼっけだった職人の腹掛も雨に打たれて香おやかな紺の色になって赤っぽい紅葉や山茶花の間を通る時に腹掛ばかりが美くしい。
しめった土を白い二本緒の草履がかけて通る。
顔は見ないに限る。
「ごみ」の中に見えなくなった針を二人がかりでさがして居る間に、
「おい源……