Japanische Klassiker mit Furigana
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れんかんき
連環記
幸田 露伴
Lesen Sie 連環記 (れんかんき) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.281 Zeichen · 95 Bildschirme
然し甚源微妙の秘奥のところをというので、乞うて増賀の壇下に就いたのである。勿論同会の僧も幾人か有ったのである。増賀はおもむろに説きはじめた。止観明静、前代未だ聞かず、という最初のところから演べる。其の何様いうところが寂心の※に響いたのか、其の意味がか、其の音声が乎、其の何の章、何の句がか、其の講明が乎演説が乎は、今伝えられて居らぬが、蓋し或箇処、或言句からというのでは無く、全体の其時の気味合からでも有ったろうか、寂心は大に感激した随喜した。そして堪り兼ねて流涕し、すすり泣いた。すると増賀は忽ち座を下りて、つかつかと寂心の前へ立つなり、しや、何泣くぞ、と拳を固めて、したたかに寂心が面を張りゆがめた。余の話の声など立てて妨ぐればこそ、感涙を流して謹み聞けるものを打擲するは、と人々も苦りきって、座もしらけて其儘になって終った。さてあるべきではないから、寂心も涙を収め、人々も増賀をなだめすかして、ふたたび講説せしめた。と、又寂心は感動して泣いた。増賀は又拳をもって寂心を打った。是の如くにして寂心の泣くこと三たびに及び、増賀は遂に寂心の誠意誠心に感じ、流石の増賀も増賀の方が負けて、それから遂に自分の淵底を尽して止観の奥秘を寂心に伝えたということである。