Japanische Klassiker mit Furigana
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れんかんき
連環記
幸田 露伴
Lesen Sie 連環記 (れんかんき) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.281 Zeichen · 95 Bildschirme
夢とはいえ、馬鳴竜樹にも会ったのである。又観世音菩薩、毘沙門天王にも夢に会ったとある。夢に会ったということと、現に会ったということとは、然程違うことでは無い。黒犬に腿を咬まれて驚いたなどという下らない夢を見る人は、めていても、蚤に猪の目を螫されて騒ぐくらいの下らない人なのである。竜樹や観音に応対した夢を見たなどとは、随分洒落ている、洒落た日常を有っていた人で無くては見られない。兎に角これだけの恵心が問目二十七条を撰した。これを支那の知礼法師に示して其答えを得ようというのである。いや、むしろ問を以て教となそうというのだったかも知れない。そこで此を持たせてやるのに、小僧さんの御使では仕方が無い。丁度寂照がかねてから渡宋して霊場参拝しようという念を抱いて居たので、これを托すことにした。其頃大陸へ渡るということは、今日南氷洋へ出掛けて鯨を取るというよりも大騒ぎなことであった。然し恵心に取っても寂照に取っても、双方共都合のよいことであったから寂照は母の意を問うた上で出ることにした。滄海波遥なる彼邦に吾が児を放ち遣ることは、明日をも知らぬ老いた母に取っては気の楽なことでは無かった。