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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうかんやま

道灌山

宮本 百合子

Lesen Sie 道灌山 (どうかんやま) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.015 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、西村氏と姓を書いて、矢車のすこし変形したような紋がついている手桶を出させ、さて、一行は、庫裏のよこてから、井戸へゆくのだった。

いよいよ井戸へ向うことになると、子供たちは勇みたった。それは、もう牧田の牛が目のさきだからだった。けれども、わたしにとって、もう一つ関所があった。

古風な鎖でたぐる車井戸へゆく右手に、十ばかり地蔵の並んだところがあった。その地蔵はどれも小さくて、丁度そこの前をとおってゆくわたしたち子供ぐらいの高さに、目鼻だちのはっきりしない、つるりとした頭の、苔のついた顔々をならべている。古びきって朦朧とした顔に苔をつけて立っている小地蔵たちは、いろんな色のきたないよだれかけを幾枚もかけていた。その上、地蔵のどれかには、女の髪の毛のきったのが、赤茶けた色をしてつる下げてあった。

それらの地蔵たちは、何と不気味だったろう。自分たち人間の子供と似たような大きさで、どっさりいて、しかも気味わるい格好をしていることが一層こわかった。

牧田の牛は、この地蔵たちの前を通りぬけ、井戸からすこし先の竹垣のこわれから、よくみることが出来るのだった。