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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちがうへいはちろう

違う平八郎

山本 周五郎

Lesen Sie 違う平八郎 (ちがうへいはちろう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.142 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

「やあ珍しや喜右衛門、三河国の住人本多平八郎忠勝これにあり、相手は我ぞ退くな」

と名乗りかけた。――それを聞いたとたん、今まで信長の側に震えていた平八郎は、いきなり跳上ると、

「我君、御乗馬拝借!」叫びざま、信長の愛馬、利刀黒の駿足に飛乗って驀地に駆って出た。

不思議でもなんでもない、本多忠勝という名乗を聞いた刹那! 彼の血は初めて烈火の如く燃上ったのだ。今日までの屈辱、人の嘲り、みんな鬼忠勝がいるためであった。同じ名の彼さえいなければ、これほどの恥を受けずとも済んだであろう。――畜生、到頭めぐり会ったぞ。

平八郎は切歯した。――貴様のために、己は今日まで世を忍んでさえいたのだぞ。違う平八郎、弱い平八郎と蔑まれて来たのもみんな貴様がいたためだぞ。

――だが、今日こそ己は自分になれる。今日こそ貴様に間違えられる心配はないんだ。見て居れ! 心の内に叫びながら馬腹を蹴って乗りつけると、喉も裂けよとばかり、

「やあ、遠藤喜右衛門よく承れ、我こそ織田四位殿の家臣にて臆病御免と云われたる本多平八郎依次なり、その首他人にはやらぬ、参れ――ッ」と名乗りかけた。――臆病御免というのは珍しい、喜右衛門も驚いたが、先に出ていた本多忠勝はいきなり自分と同姓同名を名乗られたので、はっと手綱を絞りながら振返る、……その鼻先を、だあっと