Japanische Klassiker mit Furigana
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とおのへ
遠野へ
水野 葉舟
Lesen Sie 遠野へ (とおのへ) von 水野 葉舟 (みずのようしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.903 Zeichen · 117 Bildschirme
時鳥だとか、閑古鳥だとか、それからまだいろいろあります。」
「そのB野に、朝早く行くと、それはずっと夏になってですが、あさどりって言うのがあります。山の神様のお使いだとか言って、それを殺すと崇りがあるって、皆恐ろしがっています。……あさどりって、小さい紫色をした蝶々ですよ。それがまっ黒にかたまって、山の方から高いところを飛んで行くのです。私も一度見たことがありますがね。朝早く晴れた空の方を、まるで雲が通って行くようにかたまりになって行くのは、ほんとうに不思議ですよ。」
荻原はもうすっかり興に乗ってしまって止めどなくひとりで話しつづける。
「その山にも面白い話があるのです。その三つの山っていうのは大昔三人の姉妹だったのだと言います。一番の姉は一番いじ悪るで、未のが一番おとなしかったのです。そこで母さんの神様が、皆でそのA山を欲しがっているから、どうかしてその末の妹にやりたいと思って、三人に、今夜お前達が寝ているうちに、箭を射るから、誰れでも自分の枕元に箭の立っていたものが、A山の持主になるがいいと言って、三人の寝ている間に、そっと来て、末の妹の枕元に箭を立てて行ったのです。