Japanische Klassiker mit Furigana
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いあいしゅう
遺愛集
島 秋人
Lesen Sie 遺愛集 (いあいしゅう) von 島 秋人 (しまあきと) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.488 Zeichen · 102 Bildschirme
たましひを洗はるる如く見てをりぬひなをやしなふ嘴うつすさま
二階より死刑囚われ見てをりぬパンを食み食ふ七羽の雀
おくふかく薄草色のひそみゐて咲く白百合の清しかりけり
風塵にさからふ如く立哨の動かぬ看守見てゐてさびし
降りしきる雨音のみを思ひつつ獄窓に来たれば夜の灯美し
手に触れてみたき思ひのつのりつつ死刑囚の瞳に雨の輪みてゐる
生野菜ほしき囚身にひさびさの小雨に濡れて夜の草匂ふ
愛に飢ゑし死刑囚われの賜りし菓子地に置きて蟻を待ちたり
手のひらの小さき虫がくすぐりて死刑囚われに愛を悟らしむ
あじさゐの花のひとつに移りつき朝鮮バチの羽根のひかりぬ
セロハンの袋に入れしゴキブリがひと夜かさかさ音たててゐる
死刑囚の佇ちゐる影をよこぎりて虫がらはこぶ白昼の蟻は
餌をはこぶ蟻につき来てあみ塀にさへぎられたり死刑囚われは
ころがりて死んだまねするてのひらの虫を放てりわれは死刑囚
獄草履鳴りをひそめてわれ歩くはばかる事なき庭を歩むに
幾重にも獄廊鉄扉に閉ざされて湖底の如く夜は更けてをり
死刑囚に耐へねばならぬ余命あり淋しさにのむ水をしりたり
死刑囚のわが焦燥の如くありあがくとも見ゆる蛾の一つ
生存の尊さ悟り死囚われ薄羽かげろふてのひらに眺つ