Japanische Klassiker mit Furigana
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いあいしゅう
遺愛集
島 秋人
Lesen Sie 遺愛集 (いあいしゅう) von 島 秋人 (しまあきと) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.488 Zeichen · 102 Bildschirme
鏡と言うものがないからですね。冬枯の本の葉の紅葉したのが残っているのを見てもさびしさより、美しいなあと思うのが第一の感じです。そして過ぎ去った故里の木々の紅葉・黄葉を憶い出すのです。通常の人が見のがす小さな変化でもよく知ることが出来ます。
冬雨のあがったあとの夕ぐれは物の音をよく伝えます。獄の近くの子供達の遊び声や、「おかあさーん」と呼ぶ声がきこえるのもこんなしじまの時です。女の子の声はとてもかわいらしい音感です。
トウフ屋のラッパの音は童話のようです。巷の音です。詩ですね。
僕はしみじみと時々に思ったり感じるのですが、現在の生活は苦しい事の多い中に人に知られない喜びもあることを知ったことをとてもうれしく思うのです。太陽の光が細くさし込む金網の窓に顔をよせて、めをつむると、こんな幸せは僕以外に知らないだろうなあーと思うのです。両の手のひらに日ざしを受けて掌の汗が小さく光っている時、いのちって尊いなあー、見れる事はうれしいなあー、あたたかいなあーとつぶやきたくなるのです。光は掌の玩具です。しもやけになりかけの耳や足指、この指のかゆみも気持の好いものとなる夜の布団の中です。