Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いあいしゅう

遺愛集

島 秋人

Lesen Sie 遺愛集 (いあいしゅう) von 島 秋人 (しまあきと) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.488 Zeichen · 102 Bildschirme

Aozora Bunko

ひるねするわれにならひて呼びし掌に文鳥来たりまなこつむれる

ひぐらしに愛しき憶ひ新たなり処刑なく生き六年たちぬ

法師蝉今し鳴き出づ極刑の身は幼なめき還らぬ声聴く

身に深む安らひ愛し雨降りて凉しき獄庭に虫の鳴きつつ

虫の音に独り笑みする憶ひあり生命に飢ゑし身をつらぬきて

をさなめき双掌を獄の灯にかざしさびしきときを遊びてゐたり

まれに見るあきつの赤きを捕へ来て獄に放ち羽音ききたり

つつましさ見るに愛しくりんだうの君が差入れ好しと見て更く

飼はれゐるものの愛しさ文鳥は病む顔に来てしきりにも啼く

ある限り生命愛しみ処刑死の覚悟あらねどよく生きたかり

身に深む安らひ愛し笑みてゐるこころの外にわが生命なし

身に深む安らひ愛しよく生きてうれしき事を詠みて足りゐぬ

足らふ身と足りて生きたり秋草の遠からぬ死にこころ正して

真赤なるあきつ一匹うつろひて獄なる日の冷えふかまりぬ

路に咲く名知らぬ雑草の差入れに逢はずも来にし人を知りにき

叱かられし少年の日を憶ひつつ獄窓の温とい陽を浴みゐたり

筆の字の少しは文字になるもあり獄にたのしみ年賀状書く

文鳥と来て獄窓に添ひ日を浴みぬガラスを透る陽に眼を閉じて