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Japanische Klassiker mit Furigana

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かわぐちこ

野菊の墓他六篇

伊藤 左千夫

Lesen Sie 野菊の墓他六篇 (かわぐちこ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.105 Zeichen · 61 Bildschirme

Aozora Bunko

僕が歌を作り小説を書くのは、まったく動機が君と違うのだ。僕はけっして道楽する考えで、歌や小説をやるのではない。自己の生存上、どうでも歌と小説を作らねばならなく思うてやっているのだ。政治家にもなれず、事業家にもなれず、学者にもなれないとすれば、やや自分の天性に適した文芸にでも生きてゆく道を求めるのほかないではないか。それは娯楽も慰藉もそれに伴うてることはもちろんであるけれど、その娯楽といい慰藉というのも、君などが満足の上に満足を得て娯楽とし慰藉とするものとは、すこぶる趣を異にしているであろう。人からはどうみえるか知らないが、今の僕には、何によらず道楽するほど精神に余裕がないのだ。

数えくれば際限がない。境遇の差というものは実に恐ろしいものである。何から何までことごとくその心持ちが違っている。それであるから、とうてい互いにじゅうぶんあい解することはできないのである。それにもかかわらずなお君に訴えようとするのは、とにかく僕の訴えをまじめに聞いてくれる者は、やはり君をおいてほかにありそうもないからだ。

二

去年は不景気の声が、ずいぶん騒がしかった。