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Japanische Klassiker mit Furigana

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ななこ

野菊の墓

伊藤 左千夫

Lesen Sie 野菊の墓 (ななこ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.271 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

省作はその不束を咎むる思いより、不愍に思う心の方が強い。おとよの心には多少の疑念があるだけ、直ちにおはまに同情はしないものの、真に悲しいおはまの泣き音に動かされずにはいられない。仕方がないから、佐倉へ降りる。

奥深い旅宿の一室を借りて三人は次ぎの発車まで休息することにした。おはまは二人の前にひれふしてひたすらに詫びる。

「わたしはこんなことをするつもりではなかったのであります、思わず識らずこんな不束なまねをして、まことに申しわけがありません。おとよさんどうぞ気を悪くしないでください」

というのである、おはまは十三の春から省作の家にいて、足掛け四年間のなじみ、朝夕隔てなく無邪気に暮して来たのである。おはまは及ばぬ事と思いつつも、いつとなし自分でも判らぬまに、省作を思うようになった。しかしながら自分の姉ともかしずくおとよという人のある省作に対し、決してとりとめた考えがあったわけではない。ただ急に別れるが悲しさに、われ識らずこの不束を演じたのだ。

もとから気の優しい省作は、おはまの心根を察してやれば不愍で不愍で堪らない。さりとておとよにあられもない疑いをかけられるも苦しいから、