Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ななこ

野菊の墓

伊藤 左千夫

Lesen Sie 野菊の墓 (ななこ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.271 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

おはまは例の苦のない声で小唄をうたいながら台所の洗い物をしている。姉はこんな日でなくては家の掃除も充分にできないといって、がたひち音をさせ、家のすみずみをぐるぐる雑巾がけをする。丹精な人は掃除にまで力を入れるのだ。

朝飯が済む。満蔵は米搗き、兄は俵あみ、省作とおはまは繩ない、姉は母を相手にぼろ繕いらしい。稲刈りから見れば休んでるようなものだ。向こうの政公も藁をかついでやって来た。

「どうか一人仲間入りさしてください。おや、おはまさんも繩ない……こりゃありがたい。わたしはまたせめておはまさんの姿の見えるところで繩ないがしたくてきたのに……」

「あア政さん、ここへはいんなさい。さアはま公、おまえがよくて来たつんだから……」

「あらアいやな」

おはまはつッと立って省作の右手へうつる。政さんはにこにこしながら省作の左手へ座をとる。

「昨日の稲刈りはにぎやかでしたねい。わたしはおはまさんに惚れっちゃった。ハハハハハ」

政さんは話上手でよく場合に応じての話がすこぶるうまいもんだ。戯言とまじめと工合よく取り交ぜて人を話に引き入れる。政さんはおはまの顔を時々見てはおとよさんをほめる。