Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のぎくのはか

野菊の墓

伊藤 左千夫

Lesen Sie 野菊の墓 (のぎくのはか) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.539 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

それきり口はきかないで、その夜の明方に息を引取りました……。それから政夫さん、こういう訣です……夜が明けてから、枕を直させます時、あれの母が見つけました、民子は左の手に紅絹の切れに包んだ小さな物を握ってその手を胸へ乗せているのです。それで家中の人が皆集って、それをどうしようかと相談しましたが、可哀相なような気持もするけれど、見ずに置くのも気にかかる、とにかく開いて見るがよいと、あれの父が言い出しまして、皆の居る中であけました。それが政さん、あなたの写真とあなたのお手紙でありまして……」

お祖母さんが、泣き出して、そこにいた人皆涙を拭いている。僕は一心に畳を見つめていた。やがてお祖母さんがようよう話を次ぐ。

「そのお手紙をお富が読みましたから、誰も彼も一度に声を立って泣きました。あれの父は男ながら大声して泣くのです。あなたのお母さんは、気がふれはしないかと思うほど、口説いて泣く。お前達二人がこれほどの語らいとは知らずに、無理無体に勧めて嫁にやったは悪かった。あア悪いことをした、不憫だった。民や、堪忍して、私は悪かったから堪忍してくれ。俄の騒ぎですから、近隣の人達が、どうしましたと云って尋ねにきた位でありました。