Japanische Klassiker mit Furigana
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のぎくのはか
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (のぎくのはか) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.539 Zeichen · 67 Bildschirme
家の母などもただそればかり言って嘆いて居ますが、それも皆悪気があっての業でないのですから、私は勿論民さんだって決して恨みに思やしません。何もかも定まった縁と諦めます。私は当分毎日お墓へ参ります……」
話しては泣き泣いては話し、甲一語乙一語いくら泣いても果てしがない。僕は母のことも気にかかるので、もうお昼だという時分に戸村の家を辞した。戸村のお母さんは、民子の墓の前で僕の素振りが余り痛わしかったから、途中が心配になるとて、自分で矢切の入口まで送ってきてくれた。民子の愍然なことはいくら思うても思いきれない。いくら泣いても泣ききれない。しかしながらまた目の前の母が、悔悟の念に攻められ、自ら大罪を犯したと信じて嘆いている愍然さを見ると、僕はどうしても今は民子を泣いては居られない。僕がめそめそして居ったでは、母の苦しみは増すばかりと気がついた。それから一心に自分で自分を励まし、元気をよそおうてひたすら母を慰める工夫をした。それでも心にない事は仕方のないもの、母はいつしかそれと気がついてる様子、そうなっては僕が家に居ないより外はない。
毎日七日の間市川へ通って、民子の墓の周囲には野菊が一面に植えられた。