Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のみち

野道

幸田 露伴

Lesen Sie 野道 (のみち) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.584 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

書中のおもむきは、過日絮談の折にお話したごとく某々氏等と瓢酒野蔬で春郊漫歩の半日を楽もうと好晴の日に出掛ける、貴居はすでに都外故その節お尋ねしてご誘引する、ご同行あるならかの物二三枚をお忘れないように、呵々、というまでであった。

おもしろい。自分はまだ知らないことだ。が、教えられていたから、妻に対って、オイ、二三枚でよいが杉の赤身の屋根板は無いか、と尋ねた。そんなものはございません、と云ったが、少し考えてから、老婢を近処の知合の大工さんのところへ遣って、巧く祈り出して来た。滝割の片木で、杉の佳い香が佳い色に含まれていた。なるほどなるほどと自分は感心して、小短冊位の大きさにそれを断って、そして有合せの味噌をその杓子の背で五厘か七厘ほど、一分とはならぬ厚さに均して塗りつけた。妻と婢とは黙って笑って見ていた。今度からは汝達にしてもらう、おぼえておけ、と云いながら、自分は味噌の方を火に向けて片木を火鉢の上に翳した。なるほどなるほど、味噌は巧く板に馴染んでいるから剥落もせず、よい工合に少し焦げて、人の※意を催させる香気を発する。同じようなのが二枚出来たところで、味噌の方を腹合せにしてちょっと紙に包んで、それでもう事は了した。