Japanische Klassiker mit Furigana
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きんろう
金狼
久生 十蘭
Lesen Sie 金狼 (きんろう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.438 Zeichen · 179 Bildschirme
8
ハナは背凭せに強く頭をうちつけて、瞬間、息がとまったような眼つきをしていたが、やがて猛然と起きあがると乾の喉へ飛びついて行った。
「ちくしょう……ちくしょう……」
もう、人間のような顔をしていなかった。
8
ひと束ほどの庭の胡麻竹が、省線が通るたびにサヤサヤと揺れる。新宿劇場の近くで、〈磯なれ〉という小料理屋の、いかにも安手な離れ座敷だった。
擬物の大きな紫檀の食卓を挾んで、那須と古田が腕組をしている。すこし離れたところで、西貝は床の間を枕にしてまじまじと天井を眺めていた。妙に白らけたけしきだった。
しばらくの後、古田は腕組をとると、焦っぽくバットに火をつけながら、
「……野郎、感づいてスカシを喰わしたんじゃねえのか。……やっぱり寝ごみを押えたほうがよかったんだ。(と、いうと、腹巻から大きな懐中時計をだして)もう、一時半だ。……ねえ、那須さん、こりゃ来ねえぜ」
那須は顔をあげると、落着いた口調で、
「いや、きっと来る。……だがね、古田君、言うだけのことは言ってもいいが、手だしをして貰っちゃ困るよ。僕が迷惑をするから。……いいか、念をおしとくぜ」
古田は煙のなかで、不承不承にうなずいて、