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Japanische Klassiker mit Furigana

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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき

釘抜藤吉捕物覚書

林 不忘

Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.515 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

「はい、はい。」

と、この時、力なく答えて奥の間から出て来たのはまだ年若い所化、法衣の裾を踏んで端近く小膝をつく。

「はい、仏間深く看経中にて思わぬ失礼――して何ぞ御用でござりまするか。」

「御住持は?」

「森元町の方に通夜に参って、昨夜五つ時から不在でござりまする。」

「五つ?」

「はい。」

「御住持のお姓名は?」

「下田日還と申しまする。」

「あっしゃあ御覧のとおりのやくざ者、ものの言い方を知らねえのは御免なせえよ。」と藤吉もぐっと砕けて出て、「つかねえことを訊くようですが、こいつあいってえどなたんですい?」

囲炉裏の傍に乾してある紺足袋を手に取ると、若僧の前へぽいと無造作に抛り出しながら、藤吉はこう言って相手の表情を読もうとした。

「はて異なお質問――だが、見まするところこの足袋は――。」

と眺めていたが、ふと顔を上げて、

「この足袋に何か御不審の筋でもあって――?」

「鞐が一つありますめえ。」

藤吉は鼻の先で笑った。

「なるほど、右のが一つ脱れております。」

「ここにある。」袂を探って、彦兵衛の拾った小さい金物を手の平へ載せると、そのまま所化の前へ突き出して、

「これでがしょう、他のといっち合えましょうが。