Japanische Klassiker mit Furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.957 Zeichen · 31 Bildschirme
おっつけ親方の引き立てで、相当の人区を取るようになる。そうすりゃあ、父にもおふくろにも、うんと旨えものを食わして、楽をさせてやらあ。」
急にしんみりと、おこうは、涙ぐんで老夫を見た。
「庄太が、まあ、あんなたのもしい口をきくじゃあないか。いい若い者で、悪遊びに一つ出るじゃあなし、――あたしゃなんだか、泣かされましたよ。」
「やい、庄公。」惣平次も気を取り直して、「こりゃあおやじが悪かった。てめえのような評判の孝行息子を持ちながら、不平すなんてのは、有難冥利に尽きるこった。いや、おいらの子だが、庄公は感心者だ。どこへ出しても恥かしくねえ、なんと立派なもんじゃあねえか、なあ婆さん。」
「だからさ、庄太ひとりを柱と頼んで、末をたのしみにこつこつやって行けばいいんだよ。なにもぐずぐず言うことはないじゃないか――ほんとに、よく飽きずに吹くねえ。屋根を持ってかれやしないかしら。」
庄太郎が、小さく叫んで、腰を浮かした。
「あ、来たようだぜ、誰か――久住さんに違えねえ。」
石のあいだを縫って、跫音が、近づいて来ていた。建付けのわるい土間の戸が、外部から軋んで開いた。
「皆さん、御在宿かな?」