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Japanische Klassiker mit Furigana

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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき

釘抜藤吉捕物覚書

林 不忘

Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.760 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

が、一切の罪状は、それより先に越後上布の清二郎が藤吉の吟味で泥を吐いていた。

三年前に徳撰の店へ寄った時、今度は北へ足を向けるというのを幸いと、日陰者の一子徳松の行方捜査を、撰十はくれぐれも清二郎に頼んだのであった。それもただ仙台石の巻のお冬徳松の母子としかわかっていないので、この探索は何の功をも奏すはずがなかった。で、三年越しに江戸の土を踏んだ清二郎は、失望を齎して、撰十を訪れ苦心談を夕方まで続けて帰途についたのだった。その、奥座敷の密談を、ふと小耳に挾んで、驚きかつ喜んだのは荷方の仙太郎であった。

星月夜の宮城の原で、盆の上のもの言いから、取上婆さんのお冬の父無し児がら松という遊び仲間を殺めて江戸へ出て来た仙太郎は、細く長くという心願から、外神田の上総屋を通してこの徳撰の店へ住み込んだのだったが、そのがら松が主人撰十の唯一の相続人たる徳松であろうとは、彼もつい昨日まで夢にも知らなかったのである。が、秘密がわかるのと悪計が胸に浮ぶのとはほとんど同時だった。これだけの店の大旦那と立てられて、絹物ぐるみで遊んでくらせる生涯が、走馬燈のように彼の眼前を横ぎった。