Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶくぶくながながひのめこぞう

鈴木三重吉童話集

鈴木 三重吉

Lesen Sie 鈴木三重吉童話集 (ぶくぶくながながひのめこぞう) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 58.287 Zeichen · 119 Bildschirme

Aozora Bunko

やどなし犬

一

むかし、アメリカの或小さな町に、人のいい、はたらきものの肉屋がいました。冬の半の或寒い朝のことでした。外は、ひどい風が雨を横なぐりにふきつけて、びゅうびゅうあれつづけています。人々は、こうもりのえにかたくつかまりながら、ころがるようなかっこうをして、つとめの場所へ出ていきます。肉屋は、店のわかいものたちと一しょに、かじかんだ手で、肉切ぼうちょうをといでいました。

すると、店のまえのたたきのところへ、一ぴきのやせた犬がびしょぬれになって、のそりのそりとやって来ました。そして、はげしいしぶきの中に、のこりとすわって、店先に下っている肉のかたまりを、じろじろ見上げていました。どこかのやどなし犬でしょう。肉屋もこれまで見たこともないきたならしい犬でした。骨ぐみは小さくもありませんが、どうしたのか、ひどくやせほそって、下腹の皮もだらりとしなび下っています。寒いのと、おそらくひもじいのと両方で、からだをぶるぶるふるわせ、下あごをがたがたさせながら、引きつれたような、ぐったりした顔をして、じろじろと、かぎにかかった肉を見つめています。

肉屋は、おどけた目つきをして、ちょいちょいそのやせ犬を見やりながら、ほうちょうをこすっていました。