Japanische Klassiker mit Furigana
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ぎんさんじゅうまい
銀三十枚
国枝 史郎
Lesen Sie 銀三十枚 (ぎんさんじゅうまい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.863 Zeichen · 73 Bildschirme
ことや、家宅捜索をした所、贋物の骨董があったばかりで金目の物のなかったということや、書生や女中は新米で、様子を知らなかったということや、××町の屋敷へは、ほんの最近に移って来たので、まだ近所への交際さえ、はじめていなかったということや、最後に至って別標題を附け、国際的陰謀の秘密結社に、関係あるらしいということなどが、三段に渡って記されてあった。
私と妻とは眼を見合わせた。どうしていいか解らなかった。白金に違いないと思われる、銀三十枚を携えて、警察へ訴え出ることが、とるべき至当の手段ではあったが、そのため同類と疑われ、種々うるさい取り調べを受け、新聞などへ書かれることが、どうにも不愉快でならなかった。と云って保存して置いたなら、いわゆる贓物隠匿として、露見した場合には必然的に、刑事問題を惹き起こすだろう。
「おい、どうしたものだろう?」
「さあ、ねえ」と彼女は考え込んだ。
「訴えて出るのが至当でしょうね」
「うん」と私は考え込んだ。
「変にえこじに調べられると、カッと逆上する性質だからなあ」
「それに貴郎はお忙しいんでしょう」
「うん、目茶々々に忙しいんだ。動揺させられるのが一番困る。