Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぎんざのあさ

銀座の朝

岡本 綺堂

Lesen Sie 銀座の朝 (ぎんざのあさ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.520 Zeichen · 3 Bildschirme

Aozora Bunko

夏の日の朝まだきに、瓜の皮、竹の皮、巻烟草の吸殻さては紙屑なんどの狼籍たるを踏みて、眠れる銀座の大通にたたずめば、ここが首府の中央かと疑わるるばかりに、一種荒凉の感を覚うれど、夜の衣の次第にうすくかつ剥げて、曙の光の東より開くと共に、万物皆生きて動き出ずるを見ん。

車道と人道の境界に垂れたる幾株の柳は、今や夢より醒めたらんように、吹くともなき風にゆらぎ初めて、凉しき暁の露をほろほろと、飜せば、その葉かげに瞬目するかと見ゆる瓦斯灯の光の一つ消え、二つ消えてあさ霧絶え絶えの間より人の顔おぼろに覗かるる頃となれば、派出所の前にいかめしく佇立める、巡査の服の白きが先ず眼に立ちぬ。新ばしの袂に夜あかしの車夫が、寝の足らぬ眼を擦りつ驚くばかりの大欠して身を起せば、乞食か立ん坊かと見ゆる風体怪しの男が、酔えるように踉蹌き来りて、わが足下に転がりたる西瓜の皮をいくたびか見返りつつ行過ぎし後、とある小ぐらき路次の奥より、紙屑籠背負いたる十二、三の小僧が鷹のようなる眼を光らせて衝と出でぬ、罪のかげはこの児の上を掩えるように思われて、その行末の何とやらん心許なく物悲しく覚えらるるなり、早き牛乳配達と遅れたる